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京都宇治 清泉園本店
宇治茶の特長

 お茶の生産には、蒸して熱処理をすることで発酵を止める工程があります。最近は、この蒸す作業を長時間行う事で茶葉の繊維をより強くほぐした「深蒸し」と言われる製法が流行していますが、宇治茶の本流は深蒸しではありません。

 宇治茶の産地は山間部にあり、限られた日照時間でゆっくり育てられた柔らかな茶葉は、短い蒸し時間(浅蒸し~普通蒸し)が適しています。浅蒸しのお茶からは、澄んだ薄い山吹色のお茶が淹れられます。一見するとさっぱりしたお茶のようですが、見た目とは異なりお茶の持つ甘みと旨味が凝縮されており、香り高いのが特長です。

 最高級の宇治茶は宇治製法と呼ばれる手もみ製造法により仕上げられ、その姿は針のように細く長く、色艶は鮮緑にして漆のようだと喩えられます。

山あいの茶園にて芽吹き始めた新芽

新茶の蒸し具合を確認するお茶づくり名人

長年受け継がれている手もみの技術

宇治茶の定義と生産地

緑茶の主な生産地(クリックで宇治茶の産地を拡大表示)

 「宇治茶」は、京都府茶業会議所により「歴史・文化・地理・気象等総合的な見地に鑑み、宇治茶として、ともに発展してきた当該産地である京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で、京都府内業者が府内で仕上加工したものである。」と定義されています。四府県の主な茶産地の中でも、鈴鹿山脈の山麓部に広がり、気候風土のよく似た地域で育てられた茶葉のみ、緑茶発祥の地・京都で研鑽を積んだ職人によって「宇治茶」へと仕上げられています。

 京都北部では玉露やかぶせ茶の生産が盛んで、一部は宇治茶となる他、独自ブランドとして両丹茶や綾部茶と呼ばれています。三重県南勢地方の平野部で生産されたお茶は伊勢茶と呼ばれており、こちらは宇治茶特有の短い蒸し時間ではなく、静岡茶に近い深蒸しのお茶に仕上げられており、宇治茶とはなりません。

宇治茶の生産量

二人一組で行う茶刈機による茶摘み

 宇治茶は室町時代に足利義満によって七茗園と呼ばれる茶園が開かれた事から天下の茶産地として発展してきました。しかし、近代農法による大量生産には向かない土地であった為、京都府の荒茶生産量は、静岡県の32,200トン(全国生産量の38.0%)や鹿児島県の25,600トン(30.2%)と比べると余りに少ない3,020トン(3.6%)にとどまっています。

 たった3%台でありながら宇治茶の名は全国に知られており、最高品質のお茶として国内はもとより海外にも広く認知されています。茶園全体を光を遮る寒冷紗(かんれいしゃ)等で覆う覆下園(おおいしたえん)で育てられた玉露やかぶせ茶、抹茶の原料となるてん茶を合わせた「おおい茶」に限ると、その生産量は京都府が全国1位の1,420トンで、全国のおよそ4分の1を占めています。

 荒茶の生産は少ないにもかかわらず、加工場の数は静岡県に次ぐ全国第2位となっています。(数値は、平成25年 農林水産統計より)

覆下園での玉露の栽培

一芯二葉で摘み取られた生の新茶

加工場での荒茶生産